日本超音波医学会で想ったこと

沢山の医師・臨床検査技士などの医療者・工学系研究者・機器メーカーが、栃木県宇都宮市に参集して行われた3日間の学会が終わった。

当然ではあるがほとんど産婦人科のセッションで発表をしたり、討論をしたりして感じたこと。

産婦人科診療と超音波検査は切っても切れない間柄であり、他の領域であればわざわざ超音波検査室に出向いて行う検査もベッドサイドで行うのが常ではある。

これまで、Bモードに始まり、パルスドプラ法、カラードプラ法、3D、4Dなどなどの技術が開発され、「形をみる」という視点での発展はしてきたが、「機能をみる」といった点でまだまだおぼつかない印象があったが、今回の数々の発表をきいていて、かなりのレベルで機能診断に取り組む人たちが増えてきた、と言えるだろう。

また、ISUOGやFetal Medicine Foundationといった世界標準と言っても過言ではないような世界的なコンセンサスを得ている学会や組織に対して、どちらかと言えば我が国独特の文化的発展を行いつつも、世界を意識したスクリーニング法の導入にも本格的に取り組もうかという雰囲気が流れるようになり、漸く我が国がガラパゴス化からの脱却になりつつあるような気がする。

機能診断という点では、やはり大学などの臨床研究に積極的な施設の役割は大きく、その点では私自身も気を引き締めて臨床研究を推進しないといけないと思った。

と、同時に、実は一般病院と言われる市中病院で取り組んで来た“古典的な” Bモード法での胎児の各臓器の計測と正常値の構築、疾病胎児への応用と言った手法が今でも新たな知見を与えてくれると言うことを実感した。決して新しい技術的手法だけが物事を進めるわけではないということは、場を選ばずにどこでも臨床研究は行えると言うことを示していると思えるし、また、超音波診断装置という最も身近なものだからこそ行えると思う。

いずれにしても頭の中には沢山の宿題ができたので、どのようにこなすか、明日からの日々で考えていきたい。

最後に、若手の皆さんへのアドバイスというか、自分への戒めを含めての箇条書。

1.Ultrasound in Obstetrics and GynecologyやPrenatal Diagnosis, Fetal Diagnosis and Therapyといったトップジャーナルは、毎月少なくとも目次だけは目を通す→目次だけならネットでフリー。

できれば「ちょっと関係ない」と思っても頭の体操と思って論文を読む

2.何かの計測を始めてみる。その際、自分なりの正常値を作って疾病との比較をする→何かを「測る」「データを出す」というスタンスになったとたんに見え方が変わると思う

3.常に胎児の病態生理を考えてみる。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告




レクタングル(大)広告




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告