胎児小脳の計測とトリソミー18の小脳低形成について

トリソミー18とは

トリソミーとは、2つに対になっている染色体がなんらかの原因で3つになっている状態をあらわします。
一般的に認識されているのは、Down症候群ですが、これは21番の染色体が3本なので、トリソミー21といいます。
つまり、トリソミー18は、18番の染色体が3つということになります。

トリソミー18の場合、胎児期に発育不全、先天性心疾患、食道閉鎖などの消化器疾患、手関節や足関節の屈曲などから疑われることもありますが、あまり特徴的な所見を持っていない場合も多いのが現状です。

小脳低形成とは

トリソミー18のお子さんの場合、小脳低形成を合併することが多いのですが、「小脳低形成とは」といっても、胎児期の超音波検査において具体的な定義は明確ではありません。

トリソミー18の小脳低形成

これまで、小脳の横幅を計測すれば小脳低形成の診断に役立つと考えられていましたが、私たちの臨床研究では、小脳の横幅は必ずしも小さくない場合も多く、その他の計測方法が求められていました。

今回、小脳の「前後径÷横径」という計測方法を用いることによって、トリソミー18に特徴的な小脳低形成の鑑別に有用であることを研究論文として報告しました。

何に役立つ?

臨床研究の結果は何かに役立つことが大切です。では、小脳低形成を診断することで何に役立つのでしょうか?

原因がよくわからない胎児発育不全の場合、先に述べたように、いろんな臓器に合併症があれば、染色体異常の可能性を疑います。それらの情報を元に、妊婦さんやその家族に情報提供をするとともに、医療者側も、新生児担当の医師などと協議します。

現状では染色体異常を胎児期に治療することはできませんが、適切な情報提供はその後の対応に必要でしょう。

「ただ小さいんだけど」

という曖昧な情報では、出生後にトリソミー18の診断に至った場合のご家族の受け止め方はかなり大変になることが予想されます。不安は拭えないでしょうが、可能性を含めた説明のために、少しでも沢山の情報を集めることが診断には必要となります。

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