妊婦はPCR検査を受けるべき?

希望する妊婦にPCR検査

先日、令和2年度第二次補正予算で、「希望する妊婦に対するPCR検査」に対する予算措置が決定されました。
今後、各自治体において、妊婦さんが希望した場合は、新型コロナウイルスのPCR検査が可能となることが予想されます。

検査は万能ではない

なにかの検査をした場合、「結果が陽性」ということと「病気がある」ということは必ずしも一致しません。
逆に、「結果が陰性」だからといって「病気がない」ともいいきれません。
あまりこのことを書いていてもダラダラとしてしまうので、本題に入ります。

新型コロナウイルスのPCR検査の精度

新型コロナウイルスに対するPCR検査のことが話題になって3ヶ月ぐらいになりました。PCR検査というのは、ざっくりいうと「DNAを人工的に増やして、そのDNAがあるかどうかを判定する」という検査です。
新型コロナウイルスの場合、RNAでできているので、RNAをDNAに変化させて、それを増やして判定します。

感度(かんど)と特異度(とくいど)

おおまかですが、このPCR検査では、感度が約70%、特異度がおよそ99.9%と言われています(ここではこの数値を用いて計算します)。
つまり、
コロナ感染者に検査したら70%は陽性になった(30%は陰性)←感度
感染していない人は、99.9%の可能性で、結果は陰性となる←特異度
という検査方法です。

有病率と陽性的中率

ここから統計の話が少し難しくなりますが、頑張って読んでください_(._.)_

この検査をある集団の全員にしたらどうなるかをざっくりと計算しました(下図)。
陽性的中率というのは、「検査が陽性だったら本当に感染している」という確率です。
例えば、
10人に1人が感染しているような状況なら、検査が陽性なら99%の可能性で感染者です。
100人に1人が感染している状況なら、検査が陽性なら88%の可能性で感染者です。
では、最近、報道された結果から、現状を考えてみましょう。

東京都の抗体保有率は0.1%

最近報道された東京や大阪、宮城での新型コロナウイルスの抗体保有率の結果では、東京は、わずか0.1%の人しか抗体を持っていませんでした。つまり、1000人に1人しか感染していなかった可能性があったということです。
ここでは、あくまでも抗体を持っている人の割合が、感染してた人の割合と同じとして計算します。

その場合、上の図のように、
陽性的中率は41%です。つまり、

検査が陽性の人の4割しか本当に感染していない

ということになります。

裏を返して説明したものが下の図になります。

 

 

つまり、今の感染者の状況(1000人に1人程度)だと、

検査は陽性なのに、本当は感染していない人が6割もいる

ということになります。

東京都では、一年間に約10万人の妊婦さんがお産をしています(最近少し減ってきましたが)
もし、10万人全員にPCR検査をしたらどうなるでしょうか。
計算上は、170人の妊婦さんが検査陽性です。
そして、そのうちの6割、つまり、100人は本当は感染していないことになります。

ただし、PCRが陽性となれば、新型コロナウイルス感染症患者として対応される可能性が高いことを考えた上で、この検査を希望するかどうかを考えることが大切になります。

わたしの個人的な意見としては、何も症状もなく本当は感染していない妊婦さんが「陽性者扱い」となるのは、なんとも哀しいものです。

ちなみに、「検査が陰性であれば、99.9%の可能性で感染していない」ということも言えますが、感染はいつ起こるか、起きないかはわかりません。「PCR検査を受けたその瞬間だけ感染していなかった」ことが証明できるだけですので、検査結果が陰性だからといって「非感染者であることのわずか一瞬の証明書」にしかならないことも熟知しておくことが大切です。

あくまでも想像を超えた内容ですが、こんな結果報告書(下図)になるかもしれないですね( ̄。 ̄;)

 

 

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