“医療崩壊”ってどういうこと?

緊急事態宣言が行われるた今,「医療崩壊」という語句が連呼されているが,これまでの数日のいろんな報道では,具体的に何が医療崩壊なのか,伝わっていない気がする.

感染を心配した人が殺到するから大変なの?

人々が「自分は新型コロナに感染したかもしれない」という不安を抱いて,地元のかかりつけの医院やクリニックに殺到すれば,その医療機関は通常の診療ができない.
しかも,疑わしい患者がいれば,マスクやガウンなどを装備した,「標準予防策」を行って,「うつらないように」診察する必要がある.
でも,よく考えたら,いつも通っていたお医者さんって,いつ受診しても,白衣姿か,スクラブ(多くは青いやつ)か,ケーシー(詰襟の白いやつ)ですよね.
つまり,そんなにマスクやガウンを備えていないのに,「コロナかもしれない」って患者さんが受診したら,「うつらないように」,マスクやガウンを使わないといけません.

医者がうつったらいけないの?

医師が感染したら,その時点で全ての診療がストップです.街中のお医者さんも総合病院の医師も大学病院の医師も,みんなその時点で「病院には来てはいけない!」ってなります.
街中のクリニックは閉鎖,大きな病院の医師も出勤停止になり,日頃働いていた医師や看護師も検査が必要です.
その人たちが陽性ならみんなお休みで,その病院には普通に受診できなくなります.

コロナ患者さんで大変なの?

軽症であれ,重症であれ,新型コロナ感染の患者さんが入院すれば,マスク,手袋,ガウンで診察と治療です.
普通の病棟で,隣のベッドに入院することはできません.患者さんは個室に入院し,医師も看護師も診察のたびに,手袋,マスク,ガウンをつけます.そして,診察が終わったら,それらは廃棄(専用のゴミ箱に捨てること)します.
今まで,何らかの病気で入院したことがある方は経験済みでしょうが(僕もそう),手袋,マスク,ガウンをつけたお医者さんや看護師さんに出会ったことはないですよね.
そう,それだけマスクは使われるし,捨てなくてはいけません.すごい量ですよね.

コロナ患者じゃなければいいの?

大学病院や総合病院では,どの患者さんがコロナ陽性かわからない状況の中で,様々な患者さんに対応しています.
新型コロナは,熱がなかったり,咳がなかったりという「無症状」が問題です.例えば,子宮筋腫の患者さん(僕が産婦人科が専門なので)の手術をした後に,その患者さんがコロナ陽性になったら,その時に対応した,医師,看護師,麻酔科医が全て「濃厚接触者」になり,病院から出て行けーってことになります.
そう,つまり,今まで普通に診てもらえていたはずの病気の患者さんを診ることができなくなっているのです.

コロナの患者さんが増えたらどうなるの?

これまで結核とかいろんな感染症を想定したベッドはありました.でも,例えば一つのフロアを全て結核の患者さん,ってことはありませんでした.
でも,これだけコロナで患者さんが増えていると,それまでは内科病棟だったところが全部コロナの患者さん,ってなります.
そこに対応する医師や看護師は,普通の時は心臓の病気を診ていたり,整形外科で働いていたかもしれません.でも,掛け持ちはできないので,多くの診療科から,「コロナ部隊」が召集されます.そうなるとコロナ以外の診療は手薄になるので,対応できなくなります.
しかも,その時,全ての患者さんに対して,マスク,ガウン,手袋をそれぞれ使います.

マスクは医療機関でも足りない!

こんな状況ですが,病院には優先的にマスクが入っているから大丈夫,ってのは嘘です.既に多くの医療機関で不足しているため,「1週間に1枚」っていう事態がおきているところもあるときいています.想像してみてください.あなたを診るお医者さんのマスクは1週間前のかもしれません.
これを防ぐには,せめて,自宅に篭る必要になった皆さんがこれ以上マスクを買い占めないことだと思います.
足りないマスクで医師や看護師が感染したら,その病院はもう大変です.

ソーシャルディスタンスと手洗いの徹底と慌てないこと!

取えあえず,距離を取りましょう.手も洗いましょう.そして,スーパーは閉まらないので,慌てて買い出しはやめましょう.
そして,連休明けには素晴らしい日々が訪れることを期待して待ちましょう!



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