人ごとじゃない医療崩壊-コロナ患者じゃない視点から-

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、「医療崩壊」が報道されている。

医療崩壊って、「コロナ患者で病院が大変なんでしょ」っていうのはなんとなくわかるけど、今、普通の生活をしている新型コロナと無関係の人々にとっても、実はとんでもないことなので解説します。
そう、「コロナじゃないけど大丈夫」ではないんです。

コロナ患者があふれているから大変なんでしょ?

そうです。いま、病院にはコロナ感染患者さんが、想像できないぐらい受診しています。大変です。

コロナ患者さんに対応するのがどうしてそんなに大変なの?

コロナ患者さんに対応するには、「専用」の病室が必要です。病室の外には廊下

があります。廊下の端には入り口があります。入り口に辿り着くには、病院の入り口からの通路があります。

コロナ患者さんが、病院の入り口から通路を通って、廊下を歩いて(運ばれて)、病室に入るルートは、感染していない人とは「別」にしなければいけません。

今まで皆さんが病院を受診したときに、マスクはあるでしょうが、手袋、ガウン、帽子を被った看護師さんやお医者さんに診察されたことはないでしょう。

でも、コロナ患者さんには、患者さん一人一人で、それぞれガウンも手袋もそういうものを着替えて、それぞれに対応する必要があります。

そう、すごく手間がかかるんです!

コロナ患者さんはどこに入院するの?

これまで、様々な感染症がありましたが、こんなにたくさんの感染症の患者さんが来ることはありませんでした。

そう、「想定外」なんです。

そのため、コロナ患者さん専用の場所を確保する必要があります。

つまり、これを行うには、病院の一つ以上のフロアを「コロナ専用」にせざるをえないところが大半です。

それまで子宮筋腫の患者さん、前立腺肥大の患者さん、糖尿病の教育入院の患者さん、骨折の患者さん、白内障の患者さん、膠原病の患者さんなど、普通に入院して治療を受けていた患者さんの病室をコロナ患者さんのために確保する必要があります。

つまり、「待てる(待てないようだけど待たせられる)患者さんは待たせる」になります。

現状では、一つのフロアのみならず、複数、あるいは病棟全体をコロナ専用にする必要が起きています。

どこかの個室に入院するのではいけないの?

新型コロナは第2類指定感染症です。つまり「伝染病」です。しかもインフルエンザのように特効薬はありません。

理想的には、コロナ患者さんは「陰圧室」という部屋に入院するのが理想的です。陰圧室は、外よりも少しだけ気圧が低いので、空気が外から入っても、部屋から出ることはありません。つまり、その部屋からウイルスが出ることはありません。
でも、そんな病室は急ごしらえではできません。

そのため、コロナ患者さんがどこかの個室に入院したら、「個室からウイルスがでるかも」って可能性を考えた対応が必要です。

となると、病棟の一つのフロア全体をコロナ専用にする必要があるか、急ごしらえの壁やカーテンで仕切る必要があります。

重症患者さんの扱いは?

集中治療室であるICUや救急救命治療室でも「陰圧室」はわずかです。つまり、コロナ患者さんが重症になって人工呼吸器やECMO(人工心肺の一種)を使用するとなると、仕切りができる区画まではすべてコロナ対応となります。
あるいは、集中治療室全体が、コロナ専用になるでしょう。そうなると、もう重症の患者さんは診れることができなくなります。

そう、そこで集中治療を受けているような状況の患者さんはもう対応できなくなります。

手術はどうなるの?

病院の手術室の多くは「陽圧室」です。フィルターを通したきれいな空気が部屋の中に送られて部屋の外に出て行きます。
手術で最も避けたいのが、手術中の感染なので、きれいな空気の中で手術をするのが普通です。

一方、コロナ患者さんに手術が必要な場合は、「陰圧室」で手術しないと、ウイルスが複数の部屋で作られた手術室全体に拡がることになります。

多くの病院では、手術室の部屋は十数部屋あっても、陰圧室は一つとか二つとかです。となると、コロナ患者さんの手術は同時に沢山はできません。
しかも、伝染病である患者さんをその部屋に運ぶルートは、他の手術患者産と別にする必要があります。
陰圧室に行くまでの一方通行の廊下の周囲に、普通の手術室の部屋があった場合、コロナ患者さんが通れば、場合によってはそれらの部屋も使用できません。

そのため、多くの病院では現在、「普通の手術は中止する」という方針に切り替えつつあります。

一ヶ月後、二ヶ月後に予定できるような手術はすべてキャンセルという場合もあるので、相当に緊急が必要な手術(がん、死にそう、帝王切開など)以外は、すべて取りやめる体制が作られつつあります。

院内感染の問題

医師も看護師もコロナ患者さんと接した医療従事者は、いくら予防策を行っても感染の可能性があります。

もしその医師や看護師が感染したら、すぐに出勤停止になります。そして、医療従事者の間で感染が拡がったら、皆、お休みです。

極端に言えば、今まで診ていた医師や看護師とは違う医療従事者が次から担当になります。
これまで、専門的に診ていた医療者ではないものが対応する必要があります。

コロナ担当だけでなく、コロナ患者以外の医療者にも拡がるでしょう。そうなると、その部署も閉鎖になります。

そう、もう今までの医療者に診てもらうという対応はできなくなります。

救急だったらいいでしょう?

このような状況の中で、まさか外でお酒を飲んで急性アルコール中毒の人はいないと思いますが、なんらかの理由で救急車を呼んでも「コロナ対応で手一杯なので無理です」「専門の医師は対応できないのでそれでもいいですね」「来てもしばらくはコロナ対応なので数時間待ってもらいます」という事態が起きるでしょう。

ガンなら診てくれる?

無理になる可能性があるでしょう。ガン患者さんは、免疫力が落ちている人も多いです。なるべく優先的に診たいところですが、コロナ病棟には入院させることができません。でも、これまでガン対応病棟がコロナ病棟に変われば、しばらくは入院できません、手術もできません、という事態になるかもしれません。

感染症科が診るんでしょ?

無理です。まさか数十人もコロナ患者さんが来るとは思っていませんでした。ほとんどの病院は、感染症専門医師はわずかです。

そのため、通常は他の病気を診ている医師が、感染症専門の医師からアドバイスを受けて診る必要があります。

医療崩壊をいろんな角度でみると

医療崩壊は、現場が惨状になっているという諸外国の事態もあるでしょうが、我が国では、国民皆保険のため、これまで気軽に受診できていました。でも、それらの病院が、「そうとう重症じゃなければ受診もできない」施設になることも示しています。

専門の医師や看護師がいないから、専門外が対応するから、ベストの治療じゃないよ、という対応も受け入れざるを得ないでしょう。

また、コロナでも「重症になるまではみられないよ」という状況になるかも知れません。

このブログを書きながら、この先、どうなるんだろうかという不安はありますが、なんとかみんなで頑張りましょう。

STAY HOME !  お家にいましょう!

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告




レクタングル(大)広告




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告