コロナ禍に休校は意味がないか?

2020年4月6日にオンラインで発表された論文を読んでみて、現状をどう考えればいいか悩んでしまった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって世界中の多くの国が、ソーシャルディスタンスを保つために休校という政策をとった。
ただ、感染患者のうち、重症となるのは、高齢者や高血圧・糖尿病などの基礎疾患に罹患していた人々であり、子供達が重症となる割合はかなり低いことがわかっている。
当然ではあるが、子供達の休校に意味があるのか?という疑問は誰しも抱いているであろう。

この論文は、“休校に意味はあるの”という疑問に対して、過去の論文データから解析した方向であり、私なりに読み解いてみた。

今回、2020年3月18日の時点で、107の国で休校が行われ、8億6200万人の生徒がその対象となっている。その数は全世界の半数の生徒に及ぶ。
もともと、休校ということで感染拡大を防ぐ前提となっているのは、インフルエンザを生徒間での感染を防ぐというエビデンスに基づいている。

インフルエンザは子供達の間で感染がおき、発症して様々な症状を起こすことが知られている。しかし、同じようなことが、SARSやMERS、そして今回のCOVID-19といったコロナウイルスによって起きる感染症で、子供達にあてはまるのかは詳しくはわかっていない。

インフルエンザの場合、大人に比べて子供達の方が、免疫を持っていない可能性が高い。そのため、大人はそんなに感染の拡大はしないけど、子供の場合は感染拡大が起きるかも、という前提もあって休校や学級閉鎖という措置が行われる。
実際、大人がインフルエンザに罹患しても、会社の業務停止という措置は行われない。

そこで、以前に流行したSARSやMERS、そして今回のCOVID-19に関して中国や香港、シンガポールで行われた休校という措置とその感染拡大抑止の観点で、システマティック・レビューという手法で著者らが解析を行っている。

この研究では、616の論文が精査され、16の論文が解析対象となっている。
3つの地域で行われた迅速な休校対策がCOVID-19の感染にどのように影響を及ぼしたかという明確なデータはまだ揃っていなかった。
一方、SARSをモデルにした解析では、休校はCOVD-19による死亡率を2-4%しか抑制しないという結果になった。
これは、他の(おそらく外出禁止とか)ソーシャルディスタンス施策よりも遙かに効果の低い結果と言える、と結論づけている。

最終的には、今後かなりの時間が経過した後に、各国の休校の効果を検証すべきであろうが、この論文の効果予想が正しいとすれば、以下のことが疑問になる。

  • 休校で子供達にストレスを与えていることに意味があるのか
  • 子供達が集まって遊んでいる、マスクをしていない、などの苦情が起きているというが、意味のない怒りではないか
  • 子供の行動制限よりも、もっと大人の行動制限をすべきではないか

果たしてなにが正しいかはわからない。
ただ、子供達はいつものように学校に行き、戻ってきたら手洗いを徹底させ、大人は、おとなしく自宅で自粛をする、というのであれば、もう少し、この息の詰まった状況はよくなるんじゃないかなって思えてならない。

厳しい言い方だが、どの国のどの施策が正しかったかは、もう少し未来にならないとわからない。

ただ、将来を担う子供達を「感染媒体」のように忌み嫌うような世の中だけにはなって欲しくない。

 

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