文房具に心惹かれる子供の時の想い

教授室の窓から

ふと立ち寄った丸善で、なんとなく文房具を眺めていて思わず「あっ」と声が出そうになりました。多分、何十年と陳列されているものかもしれませんが、久々に出会いました。

ひと学年50人足らずの小学校・中学校に通っていた私には(どんな田舎か想像着くでしょうが)、近所の小さなお菓子も薬も文房具も売っているお店でしか、文房具は買えませんでした。今ではご当地キティでもぶら下げているような形をしているぐるぐると回るタワーのような棚に、ジャポニカ学習帳が並んでいたこと、置いてあるのはuniの鉛筆、MONOの消しゴム、Tombowの色鉛筆、CAMPUSノートぐらいで、当たり前ですがプラスチック製のちゃちな鉛筆削りしか持っていませんでした。

そんな中、記憶は定かでは無いですが、教員をしていた父がどこかに出張で買ってきたお土産が、STAEDLER(ステッドラー)の鉛筆削りでした。

切れ味がいいこともありますが、合金でできたいぶし銀のフォルムに引き込まれたのを覚えています。「超合金」のロボットが流行ってたので素材へのあこがれもあったのでしょう。
おまけに、替刃があったのを思い出しました。

高校に進学すると流石にシャープペンシルを使っていましたが、共通一次試験(今のセンター試験)でマークシート対策として、uniの鉛筆とこの鉛筆削りは欠かせないものでした。

あれからすでに34年が経過し、医学部に進学したことで今の僕がある訳ですが、ある意味この鉛筆削りのお陰です。鉛筆を削ると、まるで料理人が行う大根のかつらむきのように、つながった削りかすができるのが当時は自慢でした。

ということで、鉛筆も持っていないのに思わず総額302円で買ってしまいました。

そういえば、日々、教授室でいろんな資料を準備したり、文章を書いていたり、つねに文房具というものに囲まれているようですが、ほとんどはパソコンに向かい、キーボードを打ち、プリンターへの出力かスキャナー取り込みしかしていな日常と比べると、書いては消し、消しゴムのかすを手で集めてはゴミ箱に捨てるか、汚い鼻くその塊のように丸めてしていたあの頃が懐かしいですね。

鉛筆削りが可哀想なので、鉛筆も買ってしまいましたが、いつ使うのだろうか(^_^;

 

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