Beyond the tendon rupture 〜アキレス腱断からの回復日記〜 #2 アキレス腱断裂とは

ランニング
By BruceBlaus - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=44748199

アキレス腱とは

アキレス腱は、いわゆるふくらはぎ(下腿三頭筋)が踵の骨(踵骨)につながる場所の靱帯のことです。
ふくらはきの内側のヒラメ筋と外側の腓腹筋がつながっており、つま先を下げる(踵を上げる)ために重要な靱帯です。
人体の中で最も強い靱帯と言われています。
ちなみに、特に西日本では、ウシのアキレス腱である牛筋(ぎゅうすじ)をおでんに入れるのが定番になっています。

アキレス腱断裂とは

アキレス腱断裂はなんらかの原因によってアキレス腱に強い力がかかった結果、靱帯が切れた状態を言います。
症状としては、「ふくらはぎを蹴られた感じ」とか、「ボールが当たった感じ」などの衝撃を感じることが多く、「破裂したような音がした」など、断裂したときの音を自覚することもあるようです。

アキレス腱断裂は、一般的には1〜2万人に一人が経験すると言われています。
アスリートやスポーツをたしなむ人ではその確率が割合が増加し、断裂をした人の8割程度が何らかのスポーツをしていたときに受傷しています。
また、アキレス腱断裂を受傷した人の1割は、その前に何らかのアキレス腱の故障を抱えており、私の場合も、2年程度にわたるアキレス腱とその周囲の痛みがありました。

私はランニングを趣味としていましたが、陸上選手などアスリートの場合、8%程度の競技者が生涯に一度は断裂を経験するといわれています(Kujala UMらClin J Sport Med. 2005;15(3):133.) 。

アキレス腱断裂の診断

アキレス腱断裂を起こしたら全く歩くことができない
と思っていましたが、激しい痛みが引いた後に歩こうとすれば歩くことはできました。
ただ、踵は上がりませんし、受傷した足のみで立つと足首がぐらぐらして立てません。

アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉が収縮し踵骨を引っ張ることで、つま先を下げる(立っていれば踵を浮かせる)ための靱帯なので、踵が上がらなくなるのです。
ただ、アキレス腱周囲の組織によって踵骨と筋肉が多少はつながっているので、つま先を下げようと思えば多少は下がります。

アキレス腱断裂時の視診と触診

私は整形外科医ではありませんので、正確な診断はできません。
ただ、断裂時の私の足を撮影したので、ご覧に入れますね。

下の図の右足が、受傷した側です。
矢印で示しているように、本来アキレス腱が「ピンと張っている」ところが、切れて凹んでいます。
このへこみ(陥凹)は、アキレス腱断裂の診断の手がかりとなります。

 

私の場合、整形外科を受診し、ベッドにうつ伏せになった時点で、
「これは、完全に切れているでしょうね」
と、見ただけで告げられました(それまでの症状や経過などからの判断も含むでしょうが)

続いての検査は、超音波検査でした。
(残念ですが画像はありません)
アキレス腱が断裂したところに超音波プローブをあてて、足首を動かしながら、アキレス腱の動きを確認するのですが、当然ですがアキレス腱が切れているので、何もうつりません。足の上側の方に切れたであろうアキレス腱の端っこがうつっていました。
左足と比較して画像を見せてもらったので、この時点で、
「あー、切れたんだー」
と、一縷の望みは絶たれ、手術後のスポーツ復帰など様々なことを加味して手術の方針となりました。

アキレス腱断裂の画像診断

アキレス腱断裂の診断がついたところで、手術に向け、画像診断を受けることとなりました(超音波診断はすでに済み)。

画像診断は、単純X線撮影、CT、MRIの3種類がありましたが、ここからはじめて松葉杖をついての移動になったので、それが大変でした。(このことは後日記します)

画像診断や手術のための血液検査、心電図検査などを受けるための準備の間に、装具のための型取りとシーネ固定をしてもらいました。

装具は、手術後に装着し、その後長ーいつきあいになるものですが、患者さん各自の足にあわせるため、まずは型取りをしました。
セメントというか漆喰というか(詳しくは知りません)、固まる白い液体に浸した幅の広い包帯をぐるぐると、つま先から丁度膝の下まで巻いて数分もするとカチコチになったようで、あとは切り離して終了です。

その後、つま先から足の甲、そしてすねにかけて、足の全面にシーネ(添え木)をあてて、弾力包帯でぐるぐる巻きにして、とりあえずの処置は終了し、手術の日程について相談しました。

素人ですので、緊急手術になるのかと思ったのですが、必ずしもその必要は無いとのことで、私の場合は仕事の都合や調整などがあったので、5日後の手術(前日入院)の予定としました。

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