http://digital.asahi.com/articles/ASK6724TVK67UBQU001.html?rm=393
私が結婚する頃にはなかった「ブライダルチェック」と称した結婚前の女性が受ける健康診断があたり前ようになりつつある。といってもある意味での“意識が高い系”の方々が受けているのかもしれない。
結婚して妊娠して子育てをする上で自分の健康状態を予め知ることは大切なことだと思う。ただ、もしなんらかの問題がみつかったとき、その女性は結婚ができるのだろうか、と勝手に心配してしまうことがある。
ブライダルチェックとは話は変わるが、不妊治療を受けた女性が妊娠し、持病でなくなることがある、というニュースが流れている。
私も妊産婦死亡症例検討委員会のメンバーなので、この種の問題については一緒に議論してきた。
それまでは支障なく生活できていた状況であったとしても、妊娠によって持病が悪化したり、持病の治療に支障をきたしたり、持病によって母体や胎児に影響を与えたりということがある。
私が医師になった頃に比べれば、はるかに持病を持っている方の妊娠・出産の管理は進歩している。持病のためにお子さんを持つことを諦めていた方が出産できるようになってきている。ただ、すべての医師が持病と妊娠・出産との間に存在する様々な問題点に詳しいわけで無いことも認めざるを得ない。
妊産婦の高年齢化がすすめば持病をもつ割合も増えることが予想される。
「妊産婦を救うために」
というのが願いである。ちまたの様々なニュースの影に隠れてしまうかもしれないが、少しでも多くの方に認識していただきたい事実である。
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