りんご病が流行りだしている-妊婦さんは注意を!

医学・医療
リンゴ病が首都圏で流行中 妊婦は要注意 | 毎日新聞
両頬がリンゴのような色になる伝染性紅斑(通称・リンゴ病)が首都圏や東北を中心に流行している。主に子どもがかかり、自然によくなることが多い。だが、妊婦が感染すると胎児に悪影響を及ぼし、流産や死産につながる恐れもあり、注意が求められる。

本日の毎日新聞のサイトによると(上のURL)、いわゆる“りんご病”が首都圏を中心に流行りだしているらしい。
確かに、国立感染症研究所の発表によると、今年は例年に比べて患者数が増加している。

国立感染症研究所のHPより引用

りんご病の正しい病名は、「伝染性紅斑」で、パルボウイルスB19というウイルスに感染することで、頬が赤くなるので、りんご病と言われる。
頬に紅斑ができたり、発疹が手足に広がったり、関節痛を伴うことがあるが、多くの場合は自然に治癒する。

問題は、妊婦さんが感染したときだ。妊婦さんから胎児へウイルスが移行し、胎児に感染が成立した場合、場合によっては胎児の造血、つまり、赤血球を作る過程に問題が生じて、胎児が重度の貧血になることがある。流産や胎児死亡になることもあるし、重度の貧血によって全身がむくむ、いわゆる“胎児水腫”という状態になることもある。
重度の貧血の場合、「胎児輸血」という高度な技術を用いた胎児への輸血が必要な場合もあり、ともかくまわりに伝染性紅斑にかかった人(多くは子供)がいた場合には、医療機関への相談を勧めたい。

胎児が貧血になっているかは、超音波検査である程度判定できる。胎児の中大脳動脈という血管の血流速度を図ることで貧血をかなりの程度で推定することができる。
貧血を疑う場合には、超音波ガイド下に、胎児採血という特殊な検査を行えば貧血の程度が診断できる。

パルボウイルスB19というウイルスへの感染をマスクや手洗いで予防することはできないといってもよい。そのため、何か不安を感じるようであれば医療機関に相談するしかないのが現状だ。

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