加齢とディスプレイ
最近はテレワークという言葉も定着しているが,ディスプレイを長く眺めていると目の疲労はかなりのものになる.しかも年齢が重なるとまさに眼精疲労となる.
ノートパソコンは軽くて持ち運びが便利な反面,画面が小さい.私の今の愛用機は,MacBookPro(13インチ 2017)であるが,Retinaディスプレイのためノートパソコンの画面は驚くほど精細できれいである.
ただし,外付けのディスプレイとして使用してる27インチのモニターにその画面を映すと,途端に精細さがなくなってしまう.
今まで使用してきた外付けモニターはEIZO(ナナオ)のFlexScan EV2736W-Zだ.一般的な27インチのモニターだが,2560×1440の解像度で普通に動画を見るにはなにも支障はなかった.
ところが最近,様々な書類を書いているとどうしても「字がぼやけて」しまって疲れるようになった.
50歳代も半ばになれば仕方ないことだろうが,画面を切り換えてノートパソコンを眺めると余り疲れないことがわかった.
ディスプレイの画素密度が問題なのだ.
画素密度(PPI)とは
画素密度とは,pixels per inch(PPI)で表される「1インチあたりどれだけ細かな密度で表示しているか」という指標である.
私が使用していたモニターのPPIは109でいわゆる通常のモニターになる.
しかしこのモニターだと数十センチ以内に近づくと「画面のドットがはっきり」となってくる.
一般的な映画や株式のグラフ(私は株は市内)などであれば,このモニターの能力で十分なのだろうが,どうやら私には「もっと精密な画面」が適しているらしい.
MacBookProなどでうたわれている「Retinaディスプレイ」というのは160PPI程度の画素密度を表しており,今の外部モニターでは十分に得られない画質になる.そのため,ノートの画面でみれば精細で綺麗な画面が,モニターに映すと荒くなる.
16:9では足りない
最近,あらゆるものが電子情報に変わっている.
以前は,本や論文は机上に広げ,Wordやスライド作成はパソコン画面でというスタイルだった.
ところが最近は,論文や書物もPDF化されているので,画面上に3−5個の情報を並べないと作業がはかどらない.
そうなると16:9の幅ではちょっと足りない.
ウルトラディスプレイという選択
この「幅が狭い」ことを解決してくれるモニターがウルトラワイドディスプレイといわれるモニターである.21:9と今までのモニターよりも横幅が1.3倍に広がるため,A4の書類を縦置きで3枚並べることができる.
ウルトラワイドディスプレイはもともとゲームをする人たちの間で人気があったようで,左右の敵も速やかに発見できるのがいいらしい.
ただこの幅広さは,書類仕事にも最適と思える.
画素密度とワイドのミスマッチ
最近,多くのメーカーがウルトラワイドディスプレイを発売しているが,画素密度の高い,Retinaディスプレイに相当するきめ細やかさをもったモニターはそれでも2つしかない(需要がないのかもしれない).
私が知る限りでは日本で容易に入手できるのは以下の2つである
LGエレクトロニクス 34WK95U
MSI Prestige PS341WU
解像度:5120 x 2160,画素密度:163 -164PPIと求めていたものにぴったりである.
4Kを超える5Kモニターである!
ところが,このモニターをMacBookProに接続すると,最大解像度が3360×1417となってしまう(経験者のブログを貼り付けます)
PS341WU の5K表示
私はMSI Prestige PS341WUを今回購入したが,MacBookPro 13インチ 2017で接続すると,そのままでは21:9で表示できず16:9で表示され,左右に黒い帯ができてしまった(予想どおりだったが).
他にもPS341WUを買ったのにうまく写らなかったという経験者はいるようだ.
外付けのグラフィックプロセッサを使う
綺麗な画面になるモニターを買ったのに,パソコンにつないだら綺麗に写らないという問題.多くは,グラフィックプロセッサというプロセッサの問題である.
Graphics Processing Unit(グラフィックス プロセッシング ユニット、略してGPU)といわれており,外付けのものはeGPUと表記される(詳しくは下記).
私のMacBookProの場合,Intel社のIris Plus Graphics 650というのがGPUになり,このプロセッサユニットで,外用ディスプレイであるPrestige PS341WUに,5120 x 2160の解像度で映像を出力する能力がない,ということだろう.
となると,外付けのグラフィックス プロセッシング ユニット(eGPU)を買うしかない.
「eGPU Mac」でググると沢山のサイトが出てくる.色んな種類のeGPUが紹介してある.しかし,どのeGPUの機種を使えば,5120×2160の画面になるかを具体的に解説していることはなく,どうやら「試す」しかないようだ.
こういうふうに,ともかく買ってつないで上手くいくか試すことをどうやら「人柱」と隠語で言うらしいことも学んだ.
ということで,いろいろあったが人柱で,Sonnet eGFX Breakaway Puck Radeon RX 560 External GPUを購入(というかそうなるだろうなと思っていた)
Appleのサイトで購入すれば翌日には届いた.
早速つないでみると,横に拡がる綺麗な画面!
MSI Prestige PS341WU は Breakaway Puck Radeon RX 560 を使えば快適に使用できる,ということがわかった.
とりあえず,これで仕事がはかどるかな(^_^;
これまで書いてきけど(2022年末〜)
と、これまで記載してきましたが、2022年末に大きく環境が変わりました、、、。
遂に、新しい念願のM2チップ搭載のMacBookProを購入したため、外付けグラフィックプロセッサが不要になってしまいました。
パソコンの性能が向上することでこれまで頑張ってきてくれたeGPUは退役となりました。
コメント
貴重な情報ありがとうございます!
当方、MacBook Pro 2019 16inchにてMSI Prestige PS341WUを使用しているのですが、スリープからの復帰時に、PS341WU側がうまくつながらず、ケーブルの抜き差しをしなければならないことが多く、困っております。
そちらでは、スリープがらみの問題は起きていませんか?
MacBookPro2019ですと,外付けGPUが不要なんですよね.
外付けGPUを使用している私の場合,単純なスリープからの復帰には支障はありません.ただし,スリープしてGPUとの接続を外した場合(PCを持ち運んだ時など),再接続の際にケーブルの差し替えをする必要があります.
はい、16インチでは5Kが外付けGPUなしで表示できます。ただ、接続の仕方では4Kまでになってしまいますね。ちょっと工夫が必要でした。相性バッチリ、というわけではないです。
外付けGPU接続のスリープ復帰は問題ないのですね。。。こちらも、いろいろ試してなんとか安定してスリープ復帰できるようにはなってきてますが、再起動時は100%ケーブルの抜き差しが必要です。少し似た感じなのでしょうかね。