医療者の多くは、様々な学会に所属しています。
今回、日本母体胎児医学会について紹介します。
日本産科婦人科ME懇話会
1978年に第1回日本産科婦人科ME懇話会が開催されました。当然ですが私はまだ中学生なのでなにも知りません。
今では当たり前ですが、妊娠中や分娩中に胎児の心拍数を計測して胎児を観察する「分娩監視装置」、胎児を画像で映し出し様々な疾患がないか判定する「超音波診断装置」がようやく開発され始めた頃のことのようです。
全国から志の高い医師が集まり、熱い議論が交わされたようです。
詳しくはこちらのリンクをご参照ください。
わたしが医師となり産婦人科医となった時にはすでに設立後12年が経過していましたし、先輩に連れられてはじめて学会に行ったときは、予定時間を大幅にオーバーしても議論をやめない雰囲気に圧倒されたものでした。
その後、2000年に日本産科婦人科ME学会に名称が変更されました。
そした、2008年に日本母体胎児医学会へと名称が変更されました。
MとEが集って議論する珍しい団体
1990年代はまだまだ工学系の技術者(エンジニアのE)と医療者(メディカルのM)とが双方に意見を交わしながら医療機器を開発し、またその利用方法を議論していた時代だったと思います。そのため、お互いの立場を越えて討論をしていたことを記憶しています。
多職種で学ぶ集団へ
医学会の世界は今大きく変わっています。
経済的状況などから学会開催に際してのスポンサーを募ることも難しくなってきています。
また、コロナ禍をきっかけに導入されたWeb会議やWebセミナーの普及によって、「現地に出向かなくても参加できるんじゃない」という意見も出るようになりました。
医療の世界では、患者さんを中心にした「多職種連携」という語句が重要視されるようになりました。
医師からの指示で医療を推進する一方向性の集団から、医師、助産師、看護師、臨床検査技士、放射線検査技師、薬剤師やソーシャルワーカーなど、様々な職種がその強みを生かして双方に意思疎通を図りながら、患者さんのために医療を行うという体制に変わってきています。
また、医療の世界では、生涯教育という言葉も重要視されています。
常に新しい情報が生み出される中で、職種を越えて共に学び合うことが重要視されています。
日本母体胎児医学会は、そのような多職種で共に学修する集団として前進している学会です。
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