師からの便り

教授室の窓から

 

初夏と師走は、通販サイトや百貨店が賑わう季節なのだろう。

ご多分に漏れず、私もお世話になっている、あるいは、お世話になった方にささやかではあるが贈りものをしている。

といっても数人の方にご挨拶をしている程度なので、不義理は甚だしいのかもしれない。

私の人生を大きく変えるきっかけとなった師匠からは、いつも万年筆でかかれた丁寧なお礼のご挨拶が届く。もう何年、お目にかかっていないことだろうか。

はがき一枚にこめられた言葉と達筆な字に先生の人柄と深みを感じる。

自筆の文字を書くと言うことは、悪筆の私には羨ましいことで、パソコンを駆使して文章を書いている自分が恥ずかしいが、これだけはどうしようも出来ないのが哀しい。

ともかくまた師からの便りを受け取った。いつまでも師は師であり、私は常に弟子である。

お褒めの言葉に目を通しながらも「中田君、もっと精進するんだぞ」と一枚の葉書が語りかけているようだ。

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